画像に綺麗な矢印を書くことが出来るアプリのSkitchがバージョンアップされて2.0.1になりました。
Skitchは、Evernoteが買収して初めてのメジャーアップデートが前回あり、V2.0になって大幅に機能が削除されてしまっていました。Mac App Storeのカスタマー評価は、U.S., 日本ともに★1つちょっとでした。今回のアップデートはあまりのクレームの多さに急遽簡単に出来る機能追加を行ったのでしょう。4、5日前にアップデートを報告するブログ記事が掲載されましたが、すぐに削除されてしまっていました。
2.0でなくなって困った機能
Skitchは長年使われているアプリなので、非常に多くの機能がありましたが、私が無くなって困った機能だけでもこれだけあります。
- Optionキーを押して矢印の向きを変更できなくなった
- 使える色が制限された(透かし黒がなくなった。追加不可。)
- 塗りつぶしが出来なくなった
- 固定位置でスクリーンショットが撮れなくなった
- 画像のサイズ変更で値を入力できなくなった
- 画像ファイルをSkitchウィンドウにドロップして編集出来ない
塗りつぶしが出来なくなった
塗りつぶしは、画像の一部をハイライト表示するのにとても便利でした。
上図のようにハイライトしたい部分がある場合は、その部分を矩形で囲って、その外側を透かしの入った黒で塗りつぶすだけで簡単にハイライト効果が得られたのです。
これは、PixelmatorやGIMPなどの高機能なツールでやろうとすると余分に手間がかかるので、Skitchが一番簡単に出来て便利だったのです。
塗りつぶしツールがなくなったついでに、透かしの黒も色選択から無くなって使えなくなってしまいました。
固定位置でスクリーンショットが撮れなくなった
画面上の変化が分かりやすいように固定の位置でスクリーンショットが何回も撮れるようになっていたのですが、無くなりました。
上図は、電卓アプリの計算結果を同じ位置、同じサイズで複数回スクリーンショットを撮っているので、記事にした時に綺麗に見えます。この機能は、Skitch頼りだったので別の方法を探さないといけなくなりました。
画像のサイズ変更の値を入力できなくなった
UIの見た目は綺麗ですが、スライダーでしか値を変更出来ないのは、実質、サイズ変更機能が無いのと同じです。
今回のアップデートで追加された機能
- 「ドラッグ」タブの種類を選択できるドロップメニューを追加
- 「自動保存」と「同期」設定を明確化
- マウスの動きが少なくて済むよう、画面キャプチャの手順を改善
- 全画面モードウィンドウの画面キャプチャを改善
- キーボードショットカット:共有URL共有・コピー(Command – /)
- 矢印を書いている最中にオプションキーを押すと、方向を逆向きに出来るように
Optionキーで矢印の向きが変わる機能が追加されたとのことですが、以前あった機能とは違います。矢印を書き始める前にOptionキーを押さないと向きが変わりません。この機能は、矢印を書き始めた時に向きが逆であることを気付いた時に使う機能だと思うので、今回の実装の仕方はおかしいと思います。そもそも、リリースノートの記述とも一致していません。外部にプログラム変更を丸投げして検収テストもせずにリリースしたのでしょうか。ちょっと信じられません。
v2.0からEvernoteのノートへ自動的に画像データを同期する機能が付きました。これがSkitchを買収した目的で、これを利益につなげようとしているのでしょう。企業として当然の活動だと思いますが、個人的には必要のない機能でとても残念です。Evernoteは月間のアップデート容量に制限があるのに、Retina MacBook Proで膨大なサイズになるスクリーンショットを同期しようとは思いません。V2.0では、Evernoteに保存しないとドラッグタブが使えない感じだったのですが、今回のアップデートではその制限がなくなったようなので少し安心しました。
しかし、V2.0にしてから、私はすでに Skitch を使わずに別のアプリで済ますように心掛けています。同じような人が大勢いると思いますので、今後のアップデートで汚名返上を期待します。この問題を放置すれば、Evernoteの使用すら再検討する人が出てくることでしょう。