OS X 10.8.2にアップデートして、Retina MacBook Pro の描画がスムースになったと喜んでいたのですが、描画が遅くて表示が乱れる現象が出てきました。
Retina ディスプレイの描画処理問題
現象は、こんな感じです。
ブロック単位の表示ずれ
コンテンツの右半分がスクロールに追いつけずに表示が残っています。
これは、Retina の新しい iPad でよく発生する現象です。描画処理が画面をいくつかに分割したブロック単位で行われるので、描画処理が完了するまでに時間差が発生して表示ずれを起こします。
iPadの場合は、表示ずれが発生しても最終的には正常に表示されるので、「ああ、綺麗に表示するには時間がかかるんだな。頑張ってね!」と出来の悪い子を見守る気持ちで待ってられます。しかし、Retina MacBook Pro の場合は、ずれたまま放置されることがあって、その場合は再描画が発生するように無意味にスクロールさせてみたりする必要があります。
文章単位の表示ずれ
WordPress で記事を編集していると、文章単位で表示が崩れる現象が発生するようになりました。例えば、上図は、「みることが」と入力して変換させた時に、「が」が消えて代わりに汚いドットが少し表示されています。また、一度タイプした文章の途中に文字を挿入しようとすると、カーソル移動させている時にすでにカーソルの位置がずれて文字の途中を飛び跳ねながら動いたり、入力した文章が正しく表示されず、がたがたに崩れた文字が挿入されていったりします。
コンテンツ全体の描画速度の低下
ブログなどのWebページを見ている時に、記事部分をダブルタップして拡大させて見ることがあります。その拡大処理に時間がかかるようになりました。拡大すると、まずぼやけた状態で全体が表示され、その後くっきりとシャープに描画されていきます。この処理がスクリーンショットを撮れるくらい時間がかかるようになりました。
ファン回転頻度の増加
WordPress でブログの記事を書いているだけで音を立ててファンが回ることが多くなりました。これまでは、外部ディスプレイを接続して2画面で無理矢理ディスクリートGPUを使用してGPUに負荷をかけた時くらいしかファンが回転する音は聞こえませんでした。それが、外部ディスプレイも接続せず、Safari を使って WordPress のブログ記事を書いているだけで豪快にファンの音が鳴るようになりました。複数の画像をプレビューや Skitch や Pixelmator で編集しているので考えられる負荷としてそれくらいです。
まとめ
お断り
まず、この現象が OS X 10.8.2へのアップデートによって起こったものではない可能性もあることをお断りしておきます。私の Retina MacBook Pro は、焼き付き現象が発生したので修理してもらっています。その修理が終わって使い始める前にOS X 10.8.2 へアップデートしているので、修理が原因の可能性もあります。
考えられること
発生している現象から推測すると、画面を再描画するインターバルをかなり大きくしているのではないかと思われます。そのおかげでカクカクだったアニメーションが滑らかに見えるようになった反面、描画処理の遅れが起こったり、画面上の位置情報の更新が間引かれてしまって位置情報が狂ってしまうのではないかと思います。
また、ファンが回転する頻度が増えていることから、自動切り替えでディスクリートGPUに切り替わるタイミングが早くなった可能性もあります。
結局どっちが良いのか
今のところ、WordPress でブログ記事を書いている時だけ位置ずれなどの問題が発生します。頻度的には、位置がずれたまま放置されるのは1つの記事を書くのに数回発生する程度ですが、スクロール中にずれずれに見える現象は頻繁に発生します。これはそれほど大きな問題ではありません。しかし、文字入力時に位置ずれが起こるとかなり不快です。集中が途切れて気が散ります。個人的には、少しくらいアニメーションがカクカクしても、位置ずれが起こらない方が良いです。
今後、少しづつ調整されていって最終的に程良い具合になることを期待します。
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