Retina MacBook Proの購入を予定している方から、「2つ用意されているグレードのどちらを買うか検討しています」というコメントを頂きました。私も買う気満々な状態なのですが、新しいiPadにすぐに飛びついて痛い目にあっているので、今は自重して戦々恐々と世間の様子をうかがっているところです。そこで、私もここで検討してみたいと思います。
まず、検討する際の一番重要な要素である価格の違いを見てみます。
Retina 15inch 2.3GHz | Retina 15inch 2.6GHz | |||||
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価格 | 184,800円 | 202,400円 | 238,800円 | 256,401円 | 277,801円 | 321,801円 |
メモリ | 8GB |
16GB (+17,600円) |
8GB |
16GB (+17,600円) |
16GB | 16GB |
プロセッサ | 2.3GHzクワッドコア Core i7(Turbo Boost使用時最大3.3GHz) | 2.6GHzクワッドコア Core i7 (Turbo Boost時最大3.6GHz) |
2.7GHzクワッドコア Core i7 (Turbo Boost時最大3.7GHz) (+21,400円) |
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ストレージ | 256GB SSD | 512GB SSD |
768GB SSD (+44,000円) |
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ディスプレイ | 2,880 x 1,800、220 ppi | |||||
サイズ | 35.89cm×24.71cm×1.8cm 2.02kg |
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グラフィックス | Intel HD Graphics 4000 NVIDIA GeForce GT 650M 1GBメモリ |
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ワイヤレス | 802.11n Wi-Fi (IEEE 802.11a/b/g) Bluetooth 4.0 |
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バッテリ | 最大7時間のバッテリー駆動時間 95Whリチウムポリマー 85W MagSafe2電源アダプタ |
色付きの部分はオプション選択でグレードアップしている部分です。2.6GHzのMacBook Proは、メモリ以外にもプロセッサとストレージをオプション選択でアップグレードできます。そこで、アップグレード価格が安い順に追加選択して掲載しています。
この価格差をふまえて、検討してみます。
メモリ
Retina MacBook Proのメモリはオンボードに直付けされているため、購入してから自分で変更できません。そのため、購入時にある程度余裕を見て選択しておく必要があります。もちろん16GBの方が余裕があってよいのですが、例えばヤマダ家電などの家電量販店で購入する場合はカスタマイズできないので、8GBしか選択できません。そこで、8GBだと使用上どんな制約があるのかを考えてみます。私のiMacは12GBにメモリを増設してOS X Lionで使っていますが、システム起動時は4GBも使っていなくて8GB以上空いています。しかし、いろんなアプリを使っているうちにSafariやXcodeなどよく使うアプリがどんどんメモリを占有していってそのうち空き領域がなくなります。つまり、メモリに空きがあればどんどん確保していくので、メモリはいくらあっても十分という状態ではなくなります。逆に言えば8GBで十分とも言えます。
ひとつ注意点は、OS X Lionではシステムの空きメモリがなくなったら使っていない領域を解放するメカニズムになっていると思いますが、実際には解放されずにスワップすることが多いです。私のiMacはHDDなので、スワップすると一気にレスポンスが悪くなるのですぐにわかります。これがSSDだとHDDほどレスポンスが悪くなることはないはずですが、スワップでストレージへの書き込みが頻繁に発生するのでSSDの寿命が一気に縮まります。そこで、スワップしそうになったら、SSDの寿命を縮めないためにも(快適に使うためにも)メモリをたくさん掴んでいるアプリを再起動して一旦メモリを解放させてあげる必要があります。この作業の頻度が、8GBのメモリと16GBのメモリではもちろん8GBの方が高くなるので、8GBメモリでは少し使い勝手が悪くなるということになります。では16GBと8GBでどの程度その頻度が変わるかですが、私の12GBのiMacでは1日ほど使っていると空き領域がなくなっているので、使うアプリにもよりますが、1日に1回か2回アプリを再起動する手間が増える程度だと想像します。
プロセッサ
私のiMacは、Mid 2011 2.7GHzクワッドコアIntel Core i5 でとても軽快です。Safariもテキストエディタのように一瞬で立ち上がります。Xcodeでアプリを作っているときもコンパイルが遅くてイライラするということは一切ありません。iMacを使っていて待ち時間が発生するのは、動画や音声データを変換する時です。3,4分程度のものでも数十秒は待ちます。そのため、動画や音声データを変換するような作業を頻繁にする予定であれば、その頻度と予算に応じてグレードの高いプロセッサを選択するのが良いです。また、私は今使っているiMacのパフォーマンスに全く不満はありませんが、このiMacを買う前に使っていたiMacが一世代前の最上位グレード(2.8GHz Intel Core i5 )のものでした。ほとんど違いはないだろうと思っていましたが、意外にも触った瞬間に違いが分かりました。前の方がレスポンスが良かったなと。これから想像するに、良いCPUを選択すればそれを選択しただけの違いはあると思います。その違いにお金を出すかどうかは予算と自分の性格に相談です。
ストレージ容量
ストレージもメモリと同様、あとから簡単には交換できません。どの程度容量が必要か購入時に決めてしまう必要があります。考慮する点としては、SSDは書き込みが発生すると書き込んだ部分の寿命が縮まるという性質のものなので、同じ場所を何回も書き込んでいるとどんどんと寿命が縮まります。そのため、かつかつで使って同じ場所を上書きする機会が多いと壊れやすくなります。そこで、ストレージ容量はある程度余裕をもっておいたほうが良いです。
自分がどの程度ストレージ容量を使うか想像できない方へ参考までに、私が今使っているMacBook Pro, iMacはともに使用領域が150GB前後です。よっぽど動画や高解像度の画像を大量に保管する予定でなければ256GBで十分かと思います。
予定使用期間
今までiMacやMacBook Proは2年程度でデザインが大幅に変わるなどのモデル変更が行われています。今回Retina MacBook Proを購入しようとする程の方なら次のモデル変更時には必ず買い替えたくなるでしょう。そこで、使用期間は2年と見積っておきましょう。
直近にアップグレードされてしまいそうなこと
このRetina MacBook Proに搭載されていなくて、直近にアップグレードされそうな私が気になる部分はこれです。
- Wi-Fi速度の向上(Wi-Fiの規格が上位規格になる)
- 液晶の軽量化(OLEDなど)
まとめ
Retina MacBook Proを買うのに金に糸目はつけないという方は、上位グレードで自分が使うディスク容量だけオプション選択して購入するのが心身ともに快適に使えるでしょう。
私のように予算に限りがある場合は、2年で買い換えになる予定なので、その間満足に使えればよいことになります。また、商品券やポイントを使って購入したかったり、値引きを期待して家電量販店で購入する場合は、オプション選択できません。そのため、私の場合は、予算が限られているのが一番大きく影響していますが、Retina 15inch 2.3GHzを選択します。そして家電量販店で値引きされたものを買います。予算面以外では、液晶の軽量化が気になります。4月にauのArrows ES ( IS12F)というスマホを買ってびっくりしました。これはOLEDディスプレイで、とんでもなく薄くて軽いです。ガラケーよりも軽いんです。大型のOLEDディスプレイが商品化されるまでにはかなりの時間がかかると言われていますが、もしMacBook ProにOLEDディスプレイが搭載されれば今より薄くそしてかなり軽くなるでしょう。手持ちのArrows ESを触りながらそんなことを考えると、ちょっと今回の2.0KgあるMacBook Proにおもいっきりお金をつぎ込む気にはなれません。
ちなみに、購入する際は、Apple Storeでも電話で値引き交渉できるようなので、交渉に自信がある方は電話で交渉してみてください。私のように引っ込み思案な方はヤマダ電機などで既に値引きされたものを買うのが安心です。Apple直営店やApple Storeで買うのと家電量販店で買うのとで保障面など重要な部分で違いは全くありません。以前は家電量販店で購入した場合は、OS アップグレードプログラムの申請がとても面倒でしたが、今はとても簡単になっています。
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わあ!!ありがとうございます^^
私のコメントに反応していただいて恐縮です…
非常に分かり易い説明で、お金に余裕が出来たら、2.3GHzの8GBを購入しようと決めました!!
CPUもGPUも上を見たらキリが無くて、BTOで最高性能のカスタマイズをして欲しいなあと眺めていた位ですが、やはり私には身に余るスペックだと改めて実感しました笑
何にしろ私も新しい物には目が無いタイプで、OLEDディスプレイなんて出ようものならすぐ欲しくなると思います笑
新しいiPadもAppleTVもAirMacも・・・と欲は絶えず、実は最近Pythonを始めて、プログラムに興味津々なので、iMacの購入も検討しているくらいです^^;
こちらはXcodeやアプリに関する内容もあって、毎日更新を楽しみにしております^^
無理をなさらない様に頑張ってください^^
コメントありがとうございます!
記事の検討内容はあくまでも私の考え方なので参考程度にどうぞ。
Pythonを使われているとは凄いですね!
海外ではPHPなどよりPythonの方が利用されているというのを聞いたことがあって私も興味津々なのですが、まだ手を付けられていません。
GoogleAppを使えるように登録して、Pythonを使って管理するんだなぁーとドキュメントを眺めたところで頓挫しています。
時間ができたら私もPythonを勉強してみたいと思います。
これからもよろしくお願いします!