GIMP2.8がリリースされました

2008年以来のメジャーアップデートとなるversion2.8のGIMPがリリースされました。ars technicaが詳しい記事を書いています(ars technica – Hands-on: testing the GIMP 2.8 and its new single-window interface)。ここでは、ars technicaの記事を簡単にまとめてご紹介し、合わせてファーストインプレッションもお届けします。

GIMP 2.8

Mac用のバイナリも作成されています。次のページでダウンロードできます。

フォントを綺麗にしたり、日本語入力ができるようにする方法は以前記事に書きましたので、そちらをご覧ください。(gimpがOS X Lion対応

ちなみに、OS X Lionでも動作しますが、GIMP2.8はOS X Lionのフルスクリーンが使えたり、ウィンドウのどの辺でもリサイズできるというわけではありません。(緑ボタンで画面一杯に拡大はできます。)

アップデートの概要

ユーザインターフェイスが再設計されました。これまで昨日毎に複数のウィンドウに分かれていたのが、1つのウィンドウで使えるシングルウィンドウモードが用意されています。

最初は今までと同じように分割されたウィンドウで立ち上がりますが、ウィンドウメニューにシングルウィンドウモードという項目があるので、これにチェックを入れるとシングルウィンドウモードになります。

複数の画像がある場合は、上部にタブが表示されるのでタブで切り替えます。

機能

シングルウィンドウモードは、ツールパレットを1つのウィンドウに統合し、個別のドキュメントはタブビューにまとめられサムネイルで表示されます。タブの切り替えはクリックか、もしくはALTキーを押しながら切り替えたいタブの番号を押します。
※Mac版は現在optionキーではタブの切り替え操作ができませんでした。

パレットウィンドウはキャンバスの左右に配置されます。主要ツールのパレットは左上に固定されますが、他のパレットウィンドウはタブを掴んで移動させることができます。

シングルウィンドウモードは簡単に使えてウィンドウが散らからなくていい反面、2つの画像を同時に見ることができないなどの弊害もあります。

シングルウィンドウ以外では、分割時のパレットウィンドウのタイトル表示がなくなってウィンドウ表示に必要なスペースが少し減りました。

ファイルの保存の手順が変わりました。「保存」は常にGIMPのネイティブフォーマットのXCFでの保存を行い、他の形式の出力は「エクスポート」で行います。

既存機能の改善では、レイヤーが入れ子とグルーピングが可能になりました。また、キャンバス上でテキスト編集ができるようになっています。

ロードマップ

次のメジャーリリースバージョン2.10で予定されている変更では、Generic Graphocs Library(GEGL)への移行が一番大きいです。GEGLは洗練されたイメージ処理のフレームワークです。GEGL化については、Peter SikkingのJanuary blog post で読むことができます。

2.10のリリース後のメジャーバージョンは3.0になります。ロードマップによると、3.0の目的はGtk+3のサポートです。

記者のお勧め本:Artist’s Guide to GIMP (現在ベータ版で予約注文が可能)


少し使ってみた感想

見た目がAdobeのアプリっぽい色になって、なにか高級感があります。私は、ちょこっとアプリで使う画像を作るくらいなのですが、不具合などは特になく問題なく使えました。

■引き出し

アプリで使う引き出しを作ってみました。

■アプリでの表示

これからぼちぼちと新機能のケージ変形なども試してみようと思います。


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